5月21日の朝日新聞にこんな記事が出ていました。
自腹切る教職員 給食費肩代わり・教材準備・部活の楽器購入… 公立小中、76%が経験
公立小中学校の教職員千人余りのうち、2022年度中に教材費などを自己負担する「自腹」の経験があるという人が7割以上を占め、1万円以上を負担した人が3割を超えていたことが、研究者らの調査でわかった。
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本当に自腹があるのか?
教職員が自腹を切る場面はあります。
自分が経験したり見たりした場面として次のようなものがあります。
◯出張時の高速代
出張の旅費は出ているが高速代は出ないため、高速利用の場合は自腹になった。
◯生徒指導時の食事
定期テストで不正行為があり生徒指導に。テストは午前中で終了するため生徒は昼食を持っていなかった。生徒指導が午後に及んだため生徒指導部長が生徒に昼食を購入した。
◯行事でクラスに差し入れ
行事の準備中に担任がクラスにお菓子などの差し入れをする謎の文化があった。
このように教職員が自腹を切る場面は学校生活のあちこちにあります。
なぜ自腹を切るのか?
自腹を切る原因の一つは公費の使いにくさにあると考えます。
まず公費は限られているため必要なものをすべて購入することはできません。
加えて公費の支出には時間がかかります。
これらの手続きを踏まなければ物品を購入することができません。
当然1日でできるわけはないので急を要する場合や手続きが手間な場合は自腹を切ることになります。
自腹を切らないといけないのか?
自腹を切る必要はありません。
自腹を切ることに対してはっきりNOを言うべきです。
NOを言うために支出のルールを確認しておくことが大切です。
このお金はどこから、どのような名目で支出されるべきなのかということを理解することで自分が出す必要のないお金であることがわかります。
また生徒のために泣く泣く出費している方もいるかもしれません。
しかし生徒のために教職員が犠牲になるのが良いことだとは思えません。
生徒も教員も幸せになる学校にしていくべきです。
自腹をなくすべきか?
自分は自腹について「教職員の裁量はあるべき」だと思います。
切りたい人はきり、切りたくない人は切らなければいいのです。
そう思う理由は自腹を切ることでやりがいを感じる教員もいるから。
記事内で自腹を切る理由として「校内に『自腹』を当然とする雰囲気がある」が多いと紹介されています。
このような雰囲気を作っているのが自腹を切ることで教師としてのやりがいを感じている教員です。
生徒のために犠牲を払うことが教員の仕事だと考えていると思われる教員が多くいます。
このような先生方には自分が払いたいのであれば払っていただけばいいと思います。
しかしそれを全教員に押しつけてはいけません。
払いたくない先生は払わなくていいのです。
払わない勇気をもつことが必要です。
まとめ:自腹を切りたい人は切り、切りたくない人は切らない
自腹を切る教職員という記事に対して自分の経験と考え方をご紹介しました。
学校現場で教職員が自腹を切る場面は多々あるのが実態です。
出張費など自腹を切る必要がまったくないものについては国や地方に対応していただきたいです。
一方で自腹を切ることに喜びを見出す教職員がいるのも事実です。
その事実を踏まえると自腹を一切禁止にするのではなく、自腹を切りたい人は切り、切りたくない人は決して切らないように対応するのが良いのではないでしょうか。
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生徒だけでなく教職員も幸せを感じられる学校になってほしいです。
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