日本人はもっと国を頼っていいのでは?「豊かさとは何か」暉峻淑子著

朝日新聞の次の記事を読んだのをきっかけに暉峻淑子さんの著書「豊かさとは何か」を読みました。

日本人はもっと国を頼っていいのでは?

「豊かさとは何か」を読んで強く感じたのは、日本人はもっと国を頼るべきだということです。

本書では著者が暮らした西ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国と日本を比較し、なぜ日本はカネはあるが豊かさはない国になってしまったのかを考察しています。

日本と海外の違いを知ることで、日本は国の保障が薄く、国民一人ひとりが自己責任で行わなければいけないことが多いことがわかりました。

老後の生活費や教育費など自分で準備しなければいけないと感じるのはその例です。

日本では自分でやるのが当たり前のことも他国では国が行ったり補助が出るものがあります。

それを知ったことで日本人は国をもっと頼りにしていいのではないかと考えるようになりました。

日本は自助が強調されすぎている

日本は自助が過剰に求められています。

菅元首相が自らのめざす社会像を「自助、共助、公助、そして絆」であると表明したことで批判を浴びたことがありました。

自助が強調されることで人はもしもの時に備えて貯蓄をします。

本書に日本人の貯蓄の目的についての記載があります。

目的の上位に上がるのは、

  • 病気・災害の備え
  • 老後の生活・子どもの教育
  • 土地・建物の購入

です。

これに対して著者は

これらの貯蓄目的は、もし日本に①社会保障制度が整っており、②教育費がかからず、③土地への投機を防ぐ公的政策があれば、そしてそのことによって公営住宅が普及すれば、消えてしまうものばかりである

と述べています。

また、より多くの貯蓄をするためにより長い時間働かなければという思考になり、長時間労働の問題につながります。

長時間労働によって女性に家事の負担が偏ったり、過労死につながったりといったことが起こっています。

まとめ:社会保障と社会資本の充実が豊かな社会には必要

子どもがいる私は教育費と老後の生活費が特に不安材料です。

本当にこれで足りるのか?

ことあるごとに不安にさいなまれます。

日本がこういったものを保障してくれればこの不安はなくなります。

将来の不安が小さくなれば現在に目を向けられるようになり、日々の生活が充実するのではないかと思っています。

全部自分でやらなければと考えるのではなく、必要なことを国に要望していくことも必要なのかもしれません。

 

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