この記事では、モーガン・ハウセル著(児島修 訳)『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』をご紹介します。
この本の特徴
この本は、お金の儲け方を説明した本ではありません。
お金との付き合い方を説明した本です。
著者はお金について何を知っているかよりも、どう振る舞うかが重要だと述べています。
著者がお金との付き合い方を重視する3つの理由
著者がお金との付き合い方を重視する理由は以下の3つです。
- 成功は運に左右される部分が大きい
- 誰にでも当てはまる有効な方法はない
- お金で幸福にはなれない
成功は運に左右される部分が大きい
成功と失敗を分けるのは、偶然による要素が大きいです。
そのため知識を十分にもっているからといって成功するとは限りません。
成功と失敗は偶然に左右されることを示す例として、1人のビル・ゲイツの陰には1人のケント・エバンスがいる、と本の中で書かれています。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツには、同じくらいの才能を持ったケント・エバンスという友人がいたそうです。
ともに偉業を成し遂げようと活動していましたが、ケント・エバンスは事故で亡くなってしまいました。
1人の成功者の陰には、その成功にたどり着けなかった人が必ずいます。
リスクと運を区別するのは難しく、成功は運に左右されてしまいます。
誰にでも当てはまる有効な方法はない
人はそれぞれ状況が異なります。
年齢、住んでいる地域、価値観・・・
状況が異なれば、お金に対する考え方も当然違ってきます。
そのため、ある人にとっておかしなことも別の人には理にかなっている、ということが起こります。
つまり誰にでも当てはまる、お金を儲けるために有効な方法はないと言えます。
著者は、「誰にでも当てはまる有効な方法はない。あるのは自分にとって有効な方法だけだ」と述べています。
お金で幸福にはなれない
人間に幸福感をもたらすのは「人生を自分でコントロールしている」という感覚だそうです。
どんな高級品を持っていてもこの感覚は得られません。
このことから、お金があれば必ず幸福になれるとは言えません。
お金は自分の時間をコントロールできるようにしてくれます。
お金があると、チャンスが来るのを待つことができます。
チャンスを待てることが、より大きな成功につながります。
私たちがお金に対してできる2つのこと
私たちが経済的に成功するためにできることは以下の2つです。
- 貯蓄
- 楽観主義
貯蓄
著者は「目的のない貯金」が最大の価値を生むと述べています。
貯金があれば予期せぬリスクに対応できます。
予期せぬリスクに対応することができれば、チャンスの到来を待てます。
そのことが経済的成功につながります。
楽観主義
楽観主義でいることが大切です。
楽観主義とは、途中で挫折することがあっても、長期的に見れば良い結果が得られる確率が高いと信じることです。
また、人間の一生の間に成し遂げられる人類全体の進歩の大きさを考えれば、楽観的に考えた方が良いと言えます。
まとめ
経済的に成功するには、何を知っているかよりもどう振る舞うかが重要です。
それは、成功は運に左右される部分が大きいからです。
私たちにできることは、お金について楽観的に考え、貯蓄をすること。
富を築くには近道はないということを感じました。
コメント