自分も相手も大切にした自己表現:アサーション
アサーションとは自己表現の方法の一つです。
”自分のことをまず考えるが他者にも配慮する”自己表現のしかたです。
自己表現の種類にはアサーションの他に、自分を大切にしない「非主張的」な表現と相手を大切にしない「攻撃的」な表現があります。
「非主張的」な表現は自分を、「攻撃的」な表現は相手を傷つけてしまうため良好な人間関係を築くことができません。
自分も相手も大切にするアサーションを用いると、互いを理解することができるので信頼関係を築けます。
またアサーションを学ぶことで、アサーティブなものの見方・考え方を身につけることができます。
アサーティブなものの見方・考え方とは次のようなものを言います。
自己表現で重要なことは、言いたいことが伝わるかどうかではなくて、自分の気持ちが適切に言えるかどうか
相手の受け取る行為は相手のものであり、受け取るかどうかは相手によります
このような見方・考え方を身につけることで、他人のことを過剰に気にしたり、他人に対して攻撃的な態度をとることがなくなります。
私はアサーションの考え方をするようになってから、他人を気にすることが少なくなりました。
そして心穏やかに過ごせる時間がとても多くなりました。
アサーションをオススメする理由
アサーションをオススメする理由は2つあります。
- 自分の気持ちを表現しないデメリットが大きい
- 適切な自己表現は相手も大切にする
自分の気持ちを表現しないデメリットが大きい
自分の気持ちを表現しないデメリットは劣等感やあきらめ癖がついてしまうことです。
自分の気持ちを表現することが苦手な人は「非主張的」な表現になりがちです。
この表現方法は相手を優先しているので良い方法に思えますが、実は自分の自信の無さや不安感を隠すために相手に同意している可能性があります。
これにより「自分は何をやってもダメだ」と劣等感を感じたり、「どうせ言っても変わらない」とあきらめたりすることが多くなってしまいます。
「自分にはできない」思うことでどんどん行動できなくなっていきます。
これが自分の気持ちを表現しないことのデメリットです。
適切な自己表現は相手も大切にしている
「自分の気持ちを表現する=相手を大切にしていない」ではありません。
自己表現の方法が適切であれば相手を大切にすることにつながります。
互いの意見を出し合って歩み寄ろうとすれば、それぞれの案よりも良いものを生み出すことができます。
これを相手と意見が異なるからと「非主張的」な表現や「攻撃的」な表現になってはいけません。
「非主張的」な表現は相手は喜びますが、自分には不快感が残ります。
それが積み重なるとうつ病になったり、たまった怒りを突如相手にぶつけたりしてしまいます。
「攻撃的」な表現を用いれば、自分の意見を通すことはできます。
しかし、意見を押し付けられた相手は不満を感じ、ギスギスした人間関係になってしまいます。
自己表現そのものが悪いのではありません。
適切な自己表現をすれば良いのです。
アサーションの例
アサーションとは実際にはどのような表現なのか。
一つ例をご紹介します。
あなたはもうすぐ退勤時間を迎えようとしています。
今日は定時に退勤する予定です。
そこに上司がやってきて「悪いけどこの仕事を残業してやってくれないか?」と頼んできました。
このような時、
「非主張的」な表現では、
「わかりました。やっておきます(本当は帰りたかったのに・・・何で自分ばっかり・・・)。」
となります。
「攻撃的」な表現では、
「何で自分にばかり仕事をふるんですか!他の人にやらせてくださいよ!」
と言ってしまいます。
一方、アサーションでは、
「わかりました。ただこの後予定があるので、残業は30分だけでもいいですか?残りは明日やります。」
と表現することができます。
互いを尊重して、歩み寄ろうとすることが大切です。
アサーションで自分も相手も大切に
自分も相手も大切にした自己表現のしかたであるアサーションをご紹介しました。
相手の意見をすべて受け入れる「非主張的」な表現も自分の意見を一方的に相手に押し付ける「攻撃的」な表現も、自分と相手のどちらかを傷つける表現方法です。
どちらかが傷つくコミュニケーションでは良好な人間関係は作れません。
自分の気持ちを適切に表現しながら、相手と歩み寄っていくアサーションを用いれば、お互いを大切にすることができます。
互いを大切にし合うコミュニケーションが取れれば、より良い解決策が導き出されるでしょう。
自己表現が苦手な人はアサーションを学んで、適切な自己表現ができるようになりましょう。
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